失敗しないために、起業時に必要な手続き

 本日は、新たなスタートを切った時に届けなければいけない「行政手続きの全体像」について述べてみたいと思います。

 起業の形態(個人事業主か法人か)によって提出先や書類が異なりますが、まずは共通して重要となる「税務」「地方税」「社会保険」の3つの柱に沿って解説します。

1. 税務署(国税に関すること)

 最も優先度が高く、提出期限が厳しいものが多いです。

⚫︎個人事業主の場合

 個人事業の開業: 開業から1ヶ月以内。

所得税の青色申告承認申請書: 最大65万円の控除を受けるために必須です。原則として開業から2ヶ月以内に提出しましょう。

⚫︎法人の場合

 法人設立届出書: 設立から2ヶ月以内。

青色申告の承認申請書: 設立から3ヶ月、または最初の事業年度終了日の前日のうち、いずれか早い日まで。

⚫︎共通(従業員を雇う場合)

給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書: 最初の給与を支払うまでに提出。

 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書: 従業員が10人未満なら、毎月の納税を年2回にまとめて事務負担を減らせます。

*給料にかかる所得税は原則、翌月の10日までに納付しなければなりません。

 しかし申請すれば、1月と7月に半年分まとめて年2回納付することができるという意味です。

税務署への申請・届出の注意点⚠️

 開業届けは、期限に遅れても特別にペナルティーはありません。

 しかし「青色承認申請書」の提出は、期限までに提出しなければ青色申告の特典が受けられなくなりますので、今一度、提出期限を調べて期限まで提出してください。

2.都道府県税事務所・市区町村(地方税に関すること)

 国だけでなく、事業所を置く自治体にも報告が必要です。

事業開始届出書: 東京都の場合は「都税事務所」、他県の場合は「県税事務所」と「役所」の両方に提出します。

期限: 東京都は事業開始から15日以内(法人・個人共通)。

3. 年金事務所・ハローワーク(社会保険・労働保険)

法人化する場合や、従業員を雇用する際に必須となります。

社会保険(健康保険・厚生年金)

 健康保険・厚生年金保険 新規適用届: 法人の場合は、社長一人の場合でも加入義務があります。設立から5日以内に年金事務所へ。

*法人組織(会社形態)の場合は、給与支払がある場合は、義務として加入する必要がありますが、個人事業形態の場合は、従業員が5人未満の場合加入は任意です。

労働保険(労災・雇用保険)

*従業員を1人でも雇う場合

 労働保険関係成立届: 労働基準監督署へ(採用から10日以内)。

 雇用保険適用事業所設置届: ハローワークへ(採用から10日以内)。

4. その他(業種に応じた許認可)

 扱う商材やサービスによっては、警察署や保健所への届け出が「営業開始前」に必要です。

⚪︎飲食・食品販売: 保健所(飲食店営業許可など)。

⚪︎リサイクル・中古品売買: 警察署(古物商許可)。

⚪︎建設業・不動産業: 都庁・国土交通省(建設業許可・宅建業免許)。

上記以外でも開業する場合には、資格の取得や許認可が必要なことがあることに留意してください。

ワンポイントアドバイス

 手続きを効率化するために、以下の2つの方法も検討してみてください。

「開業freee」や「マネーフォワード クラウド 開業届」: 画面の指示に従うだけで、税務署等への提出書類を無料で一括作成できます。

法人設立ワンストップサービス: マイナンバーカードがあれば、オンラインで主要な行政手続きをまとめて完了させることが可能です。

 

まとめ

これまで述べた中で、税務署への申請・届出は厳しいそうに感じたかも知れませんが、税務署関係は、期限までに提出したら特典を受けられる規程が多いからです。

 特に起業時点において、一番重要なのは青色申告の特典を受けるための「青色申告の承認申請」です。

 この「青色承認申請」は、1日でも遅れると節税メリットがその年は受けられなくなるため、真っ先に済ませることをお勧めします。

 それ以外は、提出期限に遅れても特典が受けられなかったり、ペナルティーを課せられることはケースバイケースと言えます。

各種の手続きの内容や提出期限は、もう一度、慎重に確認して期限に気をつけて提出することを心がけてくださいね。

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この記事を書いた人

起業することにより経済的自由、時間的自由を手に入れ、『いつまでも人生を楽しむ生き方』を見出すことの参考になればと思っています。
約40年間、税理士側の視点から経営者に接して、経営方法が不明な方が多いと気がつき、起業時点での経営についてを中心に発信していきます。

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